涙色に「またね」を乗せて

「でも……、それでも私は、湊と穂花ちゃんに仲良くなって欲しい」




鼓膜から伝わる自分の声は、情けないくらい弱々しく掠れていた。



「だからお願い。日曜日遊園地に行って、もし湊がやっぱり駄目だ、あの子とは仲良くなれないって思ったらもう諦めるからさ、一回だけでいいからさ、一緒に行こう?」


彼が首を縦に振ったのは、十秒程の間を置いてからだった。



「分かったよ。そこまで言うなら行ってあげる」



パアァと、後光が差されたような気がした。いかにも渋々といった風の溜息ですらも、このテンションの上がり様には叶わない。


「よっしゃあ! 別にそこまで言ってないけどありがとう!」

「何かイラッときたからやっぱり行かない」

「おう表出ろやコラァ」


何はともあれ、これで目的は達成された。


勝利の喜びを噛み締めつつ湊と駄弁っていると、とある疑問が脳裏を過ぎる。



律樹、いつの間に穂花ちゃんと仲良くなったんだろう。