涙色に「またね」を乗せて

「私は多分、もっと寂しがって欲しかったんだと思う」



必要として欲しかった。私が居なくても平気だなんて、思われたくなかった。

元はと言えば絵のことだって、湊に拒絶されるのが怖かったからしたことだ。、

たったそれだけで傍に居させてくれるのならと、喜んで地獄の扉を開けた。


偽善という仮面を被り、身勝手なエゴを免罪符にして、自らの足で絞首台の上に立つ。



奴はそれを、何時の間にか見抜いていたのだ。


「このカレンダーだって私の自己満足で、別に湊の為じゃない。私のことを忘れないでくれっていう、単なる我儘」


言葉にすればする程に、己の浅はかな性分が露わになっていく。

結局自分が一番大事で可愛くて、更にそれを開き直った。


「こんな私の願い事なんてどうせ叶わないだろうけど、それでも、行動したっていう事実だけでも欲しいんだよね」


もうすっかりぬるくなってしまったホットチョコレートに口を付ける。温度の所為もあってか、最初に飲んだ時よりもずっと甘ったるかった。




ぶちぃっ! と紐が千切れるような音がした。




突然のことに、呆然と目を見張る。



千切れるようなという形容はおかしい。何故なら、これは実際に彼女の腕に巻かれていたミサンガが千切られた音なのだから。