涙色に「またね」を乗せて

しばらくすると、向こうで雪うさぎ制作会社を経営していた穂花ちゃんとひたすら写真撮影に勤しんでいた律樹も輪に加わってきた。

豪雪地帯出身だからか、穂花ちゃんは随分と手馴れている。冬は彼女の季節だなと、改めて感心した。


「で、出来たーっ!」


思えば、初めての四人での共同作業かもしれない。

こんな大きな達成感はいつ振りだろう。真冬だというのに、体がぽかぽかと暖かい。心地のいい疲労感に大きく息を吐く。

せっかくだから中で一休みしようと、近くのコンビニにお菓子を買いに行くことにした。飲み物は、すぐそこの自販機で買えばいい。

買い出し当番はジャンケンで、私と穂花ちゃんに決定した。別に二人もいらないだろうと言ったら、「涙衣のチョイスを信じられない」と男子二人に真顔で返された。コンビニにあまり奇抜なお菓子は売っていないと思うのだけど、そこら辺はいかがお考えだろうか。

空き地から徒歩四十秒のコンビニに入り、適当なお菓子を見繕う。煎餅とら後はなにか甘いものでも買ってこようか。沢山あってもどうせ食べ切れないので、三種類程度で充分だろう。

穂花ちゃんが近くのコーナーからしっとりチョコを持って来たので、私も海苔巻き醤油煎餅を手に取った。もう一種類は協議の結果、コーラグミに決定した。全体的に茶色いのには、そっと目を瞑る。



「涙衣ちゃんさ」


お会計を済ませて空き地までの短い距離を歩いている最中に、穂花ちゃんは言った。


「……ううん、やっぱり何でもない」

相槌を打つ前に、彼女は話を断ち切った。


言葉の先は薄々察しがついていたけれど、追及する気にも、返事をする気にもなれなかった。