「涙衣ちゃん、本当によかったね……!」
心からの祝福に、くすぐったさを覚えてはにかむ。
互いに喜びを共有する、暖かなひと時。けれど、そのひと時だって、これから終わらせなければならない。
この世にありとあらゆる恵みをもたらす陽光が、灰色の雲に覆われる。悪いニュースなどうやむやにしてしまいたいが、ずっとそのままという訳にはいかない。
今思うと、先に良いニュースを話しておいて正解だったのかもしれない。そうでないと、こんなにも素直に祝福し合えなかったであろうから。
「でね、悪いニュースっていうのは……」
意識したつもりは無いけれど、表情がふっと沈んでいく。幸せオーラ前回だった穂花ちゃんも何かを察してか、笑顔を消して息を呑んだ。話を打ち切ってしまった罪悪感に胸を痛めつつ、覚悟を決める。
「私、転校するんだ」
水を打ったように、という言葉は、こういう時の為に使うものなのだろう。
しんと静まり返った空間は、秒針を刻む音ですらも飲み込んでしまう。
長いようにも、一瞬のようにも感じる静寂で、目の前の少女は小さな顔に精一杯の驚愕と悲哀を湛えた。
心からの祝福に、くすぐったさを覚えてはにかむ。
互いに喜びを共有する、暖かなひと時。けれど、そのひと時だって、これから終わらせなければならない。
この世にありとあらゆる恵みをもたらす陽光が、灰色の雲に覆われる。悪いニュースなどうやむやにしてしまいたいが、ずっとそのままという訳にはいかない。
今思うと、先に良いニュースを話しておいて正解だったのかもしれない。そうでないと、こんなにも素直に祝福し合えなかったであろうから。
「でね、悪いニュースっていうのは……」
意識したつもりは無いけれど、表情がふっと沈んでいく。幸せオーラ前回だった穂花ちゃんも何かを察してか、笑顔を消して息を呑んだ。話を打ち切ってしまった罪悪感に胸を痛めつつ、覚悟を決める。
「私、転校するんだ」
水を打ったように、という言葉は、こういう時の為に使うものなのだろう。
しんと静まり返った空間は、秒針を刻む音ですらも飲み込んでしまう。
長いようにも、一瞬のようにも感じる静寂で、目の前の少女は小さな顔に精一杯の驚愕と悲哀を湛えた。

