涙色に「またね」を乗せて

UNOや王様ゲームに人狼ゲームなど、夜のお供になりそうなものを片っ端から遊び尽くし、時に見回りの教師の目をかいくぐったり、王様の命令で釣られたトビウオの真似をさせられたりと、贅沢な夜更かしを謳歌する。

けれど、やがてそれらにも飽きてきて、次第に食指は恋バナへと伸びていった。

サッカー部の誰々という先輩が格好いい、彼氏と縁結びの神社へ行ってきた、実はずっと前から隣のクラスの学級委員が好きだった。

「でさー、うち、修学旅行で宮本君に告ろうと思うんだよねー」

「マジで!? でもそういう子多いよね。三組の美樹ちゃんも、五組の田中も告白するって言ってたし」

そろそろ眠くなってきた……。とうつらうつらしていたところで、眠気が急速に吹っ飛んだ。


「え、皆そんなこと考えてんの!?」

先生に見付かってしまいそうな程大きな声を上げると、きゃぴきゃぴと話していた女子全員に胡乱げな視線を向けられた。いや、そんな信じられないみたいな顔をされましても。


「修学旅行で告白って、定番中の定番でしょ!?」

「高校生にもなって木刀振り回して遊んでるのなんて涙衣だけだからね!」

「二日目が一番時間に余裕あるから、その時間に皆告白するんだって」

「え、えぇ……」


恋する乙女の勢いに気圧されて、ベッドの上で後ずさる。私だって好きな人が居るというのに、この女子力の差は一体何なのだろう。

女子力の低い私に興ざめしたのか、一斉にベッドに戻って就寝の準備を始めた。もう夜更けだ。良い子も悪い子もおねんねの時間だ。

普段とは硬さも感触も違う枕に頭を預け目を閉じる。眠くて仕方ない筈なのに、中々寝付くことが出来なかった。