涙色に「またね」を乗せて

「修学旅行か……。お土産何買おうかなぁ」


ぱらりとパンフレットを捲って、『貰って嬉しい! 人気お土産二十一選!』のページに目を落とす。


「涙衣ちゃん。まず先に何処に行くかを決めないと」

「やっぱあれかな。木刀と、後キーホルダー、龍が剣に巻きついてる、あの謎のダサい奴」

「確か、中学の修学旅行でも同じの買ってなかったっけ?」

「何なら小学生の時もだろ。どんだけ木刀買う気だよ。お前は武士か」

「みんなキーホルダーについてはノータッチなんだね」


ボケ一、ツッコミ三による絶妙に噛み合わない会話を繰り広げながら、此処に行きたい、あれが食べたいとお互いに意見を出し合う。



「このカフェ抹茶エスプレッソパフェあるって。てか抹茶エスプレッソって何?」


「渡月橋、秋だと紅葉が絶景だってさ。ついでに嵐山の竹林も行こうぜ」


「私、祇園でお買い物したいなぁ。でも嵐山からだと結構遠い……」


「別日に行けばいいんじゃない? 僕屋形船乗りたいんだけど」


こんなにも好き勝手言っているのに、不思議と話は自然に纏まっていく。就業のチャイムが鳴り響く頃には、四人全員の希望を満遍なく組み込んだスケジュール表が出来上がっていた。

後は当日をワクワクソワソワドキドキしながら待つのみだ。あ、間違えた。その前に新幹線で食べるお菓子を買わなくては。

おやつは三百円までというルールに付き従って、駄菓子をどれだけ買えるかチャレンジしてみようか。


我ながら小学生みたいなことを考えながら、先の行事に思いを馳せた。