放送部の実況と吹奏楽部の演奏が混濁する中、リレーは第三走者までバトンが渡っていた。
バトンを手にした律樹は圧倒的な速さで他選手を二人抜き去ってリードを広げ、無駄の無いフォームでコーナーを曲がった。
あいつ陸上部の方が向いてるんじゃないの、と緊張の合間に密かに思う。
「律樹君! 頑張って!」
声援の嵐でも一際大きな、穂花ちゃんの叫び声。内気で恥ずかしがり屋な彼女が出した声は、しっかりと律樹にも届いたらしい。前を走る二位の走者との距離をギリギリまで詰めて、バトンを次の走者に手渡した。
五位から三位まで追い上げた彼の働きは褒め称えるべきで、自分があの応援席に居られたのならもっと素直に喜んでいたけれど、今は自分の出番のことで頭がいっぱいだった。
第四走者の彼女が走り終えたのなら、次は第五走者である私が走らなくてはならない。そして、その次はアンカーである湊が走る。
とどのつまり最終的な命運を握っているのは私ではない訳だけど、それでも陸上部エースと謳われるあのクラスメートなら少なくとも二位でバトンを渡してくる筈で、万が一転んで順位を落としてしまったらどうしようとら悪い方向に思考が飛んでいってしまう。
そろそろ行かなくてはと、鉛玉でもぶら下げられたかのように重たい腰を持ち上げて、テークオーバーゾーンに立つ。
予想通り二位をキープした走者が近付いてきて、助走を始めながら後方に手を伸ばす。
バトンを手にした律樹は圧倒的な速さで他選手を二人抜き去ってリードを広げ、無駄の無いフォームでコーナーを曲がった。
あいつ陸上部の方が向いてるんじゃないの、と緊張の合間に密かに思う。
「律樹君! 頑張って!」
声援の嵐でも一際大きな、穂花ちゃんの叫び声。内気で恥ずかしがり屋な彼女が出した声は、しっかりと律樹にも届いたらしい。前を走る二位の走者との距離をギリギリまで詰めて、バトンを次の走者に手渡した。
五位から三位まで追い上げた彼の働きは褒め称えるべきで、自分があの応援席に居られたのならもっと素直に喜んでいたけれど、今は自分の出番のことで頭がいっぱいだった。
第四走者の彼女が走り終えたのなら、次は第五走者である私が走らなくてはならない。そして、その次はアンカーである湊が走る。
とどのつまり最終的な命運を握っているのは私ではない訳だけど、それでも陸上部エースと謳われるあのクラスメートなら少なくとも二位でバトンを渡してくる筈で、万が一転んで順位を落としてしまったらどうしようとら悪い方向に思考が飛んでいってしまう。
そろそろ行かなくてはと、鉛玉でもぶら下げられたかのように重たい腰を持ち上げて、テークオーバーゾーンに立つ。
予想通り二位をキープした走者が近付いてきて、助走を始めながら後方に手を伸ばす。

