「ねぇ。律樹のお題。何て書いてあったか知ってる?」
一位でゴールテープを切った律樹を眺めながら、ポツリと湊が呟いた。
「さぁ。ハチマキじゃないの」
というか、律樹がハチマキを借りていったのだから、それ以外に考えられないだろう。観客に明言しないとはいえ係の人がお題を確認するのだから、違うものを持っていく筈も無い。
「違う違う。さっきちらっと見えたんだけど、本当はこう書いてあった」
ひっそりと耳元で囁かれる。かかる吐息の擽ったさに心臓がトクンと高鳴ったけれど、その言葉の内容に、後から驚愕が迫り来た。
『好きな人の持ち物』
それが、律樹が引いた本当のお題だったらしい。
成程。だから紙を引いた時、困ったような素振りを見せていたのか。それで足りない頭を駆使して、これなら何も疑われないという確信の元ハチマキを借りたという訳だ。
いや、待てよ。律樹が引いたお題が好きな人の持ち物で、実際に借りたのが穂花ちゃんのハチマキだったということはーー。
音もなく顔を見合わせる。湊もたった今その事実に気付いたのか、だったらこいつは彼女の片想いを知っていたということか。
いやでも、はっきりそうだと言わなかったとはいえ、私が律樹の想いに薄々勘づいていたように、湊もそうだったという可能性は充分にあり得る。
応援席に戻ってきた律樹は、穂花ちゃんと勝利を分かち合っていた。完全にカップルにしか見えない光景。それが本当のカップルの光景になる日も、そう遠くはないだろう。
ともかく、これで疑惑は確信へと出世した訳だ。
一位でゴールテープを切った律樹を眺めながら、ポツリと湊が呟いた。
「さぁ。ハチマキじゃないの」
というか、律樹がハチマキを借りていったのだから、それ以外に考えられないだろう。観客に明言しないとはいえ係の人がお題を確認するのだから、違うものを持っていく筈も無い。
「違う違う。さっきちらっと見えたんだけど、本当はこう書いてあった」
ひっそりと耳元で囁かれる。かかる吐息の擽ったさに心臓がトクンと高鳴ったけれど、その言葉の内容に、後から驚愕が迫り来た。
『好きな人の持ち物』
それが、律樹が引いた本当のお題だったらしい。
成程。だから紙を引いた時、困ったような素振りを見せていたのか。それで足りない頭を駆使して、これなら何も疑われないという確信の元ハチマキを借りたという訳だ。
いや、待てよ。律樹が引いたお題が好きな人の持ち物で、実際に借りたのが穂花ちゃんのハチマキだったということはーー。
音もなく顔を見合わせる。湊もたった今その事実に気付いたのか、だったらこいつは彼女の片想いを知っていたということか。
いやでも、はっきりそうだと言わなかったとはいえ、私が律樹の想いに薄々勘づいていたように、湊もそうだったという可能性は充分にあり得る。
応援席に戻ってきた律樹は、穂花ちゃんと勝利を分かち合っていた。完全にカップルにしか見えない光景。それが本当のカップルの光景になる日も、そう遠くはないだろう。
ともかく、これで疑惑は確信へと出世した訳だ。

