涙色に「またね」を乗せて

本日快晴。雲一つ無い秋晴れは、季節柄暑過ぎず程よく涼しいという文句無しの体育祭日和だった。


邪魔にならないよう髪の毛をポニーテールに束ね、よく熟れた果実のように真っ赤なハチマキを額に巻く。制汗剤と日焼け止めの準備もバッチリ。抜かりは無い。



「気合い入ってんな」


振り向くと、同じ色のハチマキを巻いた律樹が立っていた。


「そりゃあ貴重なイベントですから。暇を持て余した高校生にはこれくらいしか無いもんでしてね。律樹の方こそ、出る種目多いから大変でしょ」

「まぁな。借り物競争と騎馬戦、部活動対抗リレーと学年別の方のリレー。頼まれてつい引き受けちまったからなぁ。後お前ほもう少し熱中出来る趣味を探した方がいい」

「……それなら、もう見付かりそうだよ」

「あ? 何か言ったか?」

「別に」



さ、喝入れよ。



パチンと両頬を叩いて、己の気を引き締めた。