物思いに耽っていた時には湊も既にラムネを飲み干していて、色気に若干の遅れを取っていた食い気は再び上昇し、次は何を食べようかと再び人混みを歩く。
もう夜の帳は完全に降りて、真珠と黄金を混ぜ合わせたかのような色合いの満月は藍色の空にぽっかりと浮かび、提灯に霞んだ星がポツポツと瞬いていた。
浮き足立つようなお祭り騒ぎの中を歩いていると、絶妙に食欲をそそるソースの匂いが鼻先をくすぐり、湊と顔を見合わせる。
「たこ焼きかな?」
「いや、焼きそばだと思う」
「外した方が奢るっていうのはどう?」
「乗った」
私はたこ焼き。湊は焼きそば。お互い真っ先に思い描いた対象物に食費を賭け、意気揚々と匂いの煙を辿った。
時折迷子になりかけながらも美味しそうな匂いを追いかけ、そしてようやくお目にかかった屋台には赤地に黒で『たこ焼き』とでかでかと書いてあった。ちらりと湊に視線をやると、チッと小さく舌打ちをしていた。
けれど、彼も立派な日本男児。男に二言は無いということで、渋々、本当に渋々たこ焼きを一パック奢ってくれた。
もう夜の帳は完全に降りて、真珠と黄金を混ぜ合わせたかのような色合いの満月は藍色の空にぽっかりと浮かび、提灯に霞んだ星がポツポツと瞬いていた。
浮き足立つようなお祭り騒ぎの中を歩いていると、絶妙に食欲をそそるソースの匂いが鼻先をくすぐり、湊と顔を見合わせる。
「たこ焼きかな?」
「いや、焼きそばだと思う」
「外した方が奢るっていうのはどう?」
「乗った」
私はたこ焼き。湊は焼きそば。お互い真っ先に思い描いた対象物に食費を賭け、意気揚々と匂いの煙を辿った。
時折迷子になりかけながらも美味しそうな匂いを追いかけ、そしてようやくお目にかかった屋台には赤地に黒で『たこ焼き』とでかでかと書いてあった。ちらりと湊に視線をやると、チッと小さく舌打ちをしていた。
けれど、彼も立派な日本男児。男に二言は無いということで、渋々、本当に渋々たこ焼きを一パック奢ってくれた。

