「似合う?」
「いいんじゃない」
相変わらずの無反応。かと思いきやふっと小さく笑ってくれて、不意打ちに胸がきゅんと高鳴った。
チークだと言い張るには赤みが過ぎた頬を誤魔化すように視線をぐるりと一周させると、視線が懐かしい屋台に射止められた。
「見て、スーパーボールある」
指差した先では水に浮かんだスーパーボールが、幼稚園児から小学校低学年の子達に掬い取られている。
金魚でもヨーヨーでもなく、スーパーボール。その絶妙な子供っぽさは、穢れを知って荒廃しま高校生には刺さるものがある。
どうする? と目線だけで問い掛ける。流石にちびっ子達に混じって使いもしないスーパーボールを掬うのは、些かプライドが邪魔するのではないか。
けれど、その心配は杞憂だった。意外にも湊は乗り気な様子で、袖をまくって空いたスペースに腰を降ろした。一泊遅れて、私もその隣にしゃがみ込む。三百円と引き換えにポイとお椀を受け取って、そこで勝負の幕が上がった。
言われずとも、向こうが取った量で競おうとしているのはお見通しだ。見てろ、目にものくれてやる。
水の中を悠々と泳ぐスーパーボールは色も大きさも様々で、宝石風のカッティングが施されたものやラメ入りのキラキラしたものは女の子の人気が高いのか、数多ものポイに追いかけられている。
容器の底が完全に見えなくなったところで薄い紙の中央がよれ、少ししてとうとう避けてしまった。それでもなおめげずに縁を駆使して掬ってみるも、限界は想像以上に早かった。
殆ど同じタイミングで湊も戦線離脱し、互いの努力の結晶を数えてみると湊の方が三つ多かった。昔から、こういうところは器用なのだ。
「いいんじゃない」
相変わらずの無反応。かと思いきやふっと小さく笑ってくれて、不意打ちに胸がきゅんと高鳴った。
チークだと言い張るには赤みが過ぎた頬を誤魔化すように視線をぐるりと一周させると、視線が懐かしい屋台に射止められた。
「見て、スーパーボールある」
指差した先では水に浮かんだスーパーボールが、幼稚園児から小学校低学年の子達に掬い取られている。
金魚でもヨーヨーでもなく、スーパーボール。その絶妙な子供っぽさは、穢れを知って荒廃しま高校生には刺さるものがある。
どうする? と目線だけで問い掛ける。流石にちびっ子達に混じって使いもしないスーパーボールを掬うのは、些かプライドが邪魔するのではないか。
けれど、その心配は杞憂だった。意外にも湊は乗り気な様子で、袖をまくって空いたスペースに腰を降ろした。一泊遅れて、私もその隣にしゃがみ込む。三百円と引き換えにポイとお椀を受け取って、そこで勝負の幕が上がった。
言われずとも、向こうが取った量で競おうとしているのはお見通しだ。見てろ、目にものくれてやる。
水の中を悠々と泳ぐスーパーボールは色も大きさも様々で、宝石風のカッティングが施されたものやラメ入りのキラキラしたものは女の子の人気が高いのか、数多ものポイに追いかけられている。
容器の底が完全に見えなくなったところで薄い紙の中央がよれ、少ししてとうとう避けてしまった。それでもなおめげずに縁を駆使して掬ってみるも、限界は想像以上に早かった。
殆ど同じタイミングで湊も戦線離脱し、互いの努力の結晶を数えてみると湊の方が三つ多かった。昔から、こういうところは器用なのだ。

