だいぶ日も落ちた夕闇の中、くどいまでに吊るされた提灯の明かりに浮かび上がるカラフルな屋台のテントや繰り返される祭囃子のメロディは、それだけで場の雰囲気を醸し出す。
神社というやや特殊な空間も、心の底から浮き立つような高揚感を感じさせるのに一役買っている。あの鳥居をくぐったら、神隠しに遭ってしまいそうだ。
淡いオレンジ色の丸いエフェクトに包まれた人混みを、はぐれないように慎重にかき分けながらめぼしい屋台を探していると、ふとした言い伝えを思い出した。
「昔さ。子供の時、由緒正しい場所で行われるお祭りは、あの世とこの世の境目が曖昧になるから知っている人にもついて行っちゃ駄目って言われなかった?」
「ああ、そういえば言われたね。涙衣のお母さんにだっけ?」
「そうそう。うちのお母さん田舎出身だからそういうのには詳しいんだよね」
「でも知り合いにもついて行ったら駄目なんて、よく考えたら中々に横暴だよね」
「確かに。そうしたら、一人で行かなきゃいけなくなるし」
そんなことを話しながらも、気が付けばお面の屋台のすぐ近く。アニメキャラやらおかめやらの個性豊かなお面が並んでいるけれど、欲しいものは既に決まっている。
買ったばかりの狐面を手早く横に装着し、後ろを振り返ってにっと笑う。
神社というやや特殊な空間も、心の底から浮き立つような高揚感を感じさせるのに一役買っている。あの鳥居をくぐったら、神隠しに遭ってしまいそうだ。
淡いオレンジ色の丸いエフェクトに包まれた人混みを、はぐれないように慎重にかき分けながらめぼしい屋台を探していると、ふとした言い伝えを思い出した。
「昔さ。子供の時、由緒正しい場所で行われるお祭りは、あの世とこの世の境目が曖昧になるから知っている人にもついて行っちゃ駄目って言われなかった?」
「ああ、そういえば言われたね。涙衣のお母さんにだっけ?」
「そうそう。うちのお母さん田舎出身だからそういうのには詳しいんだよね」
「でも知り合いにもついて行ったら駄目なんて、よく考えたら中々に横暴だよね」
「確かに。そうしたら、一人で行かなきゃいけなくなるし」
そんなことを話しながらも、気が付けばお面の屋台のすぐ近く。アニメキャラやらおかめやらの個性豊かなお面が並んでいるけれど、欲しいものは既に決まっている。
買ったばかりの狐面を手早く横に装着し、後ろを振り返ってにっと笑う。

