涙色に「またね」を乗せて


高校の入学祝いに貰った浴衣を着付け、姿見の前でくるりと回る。


紺地に、白と黒の縦縞模様と紅の鬼百合を描いたモダンチックな浴衣。帯は花と同じ色。その上からとんぼ玉で飾られた帯留めを結べば、一気に全体の印象が引き締まる。

髪を一つに纏め上げてアンティークビーズの付いたつまみ細工の髪飾りで彩れば、レトロな雰囲気も滲み出た。

あっさりとしたメイクを顔に施して最後にワインレッドのリップを塗ると、こんな私ですらもそこそこ美人に見えるから不思議だ。



今回は、四人で祭りに行く訳じゃない。


穂花ちゃんからの電話報告によると、律樹と一度映画館に遊びに行ったらしい。所謂デートという奴だ。これを聞いた私はびっくり仰天し、ぎょえーと意味不明な叫び声を上げて穂乃果ちゃんに要らぬ心配をかけてしまった。


少女漫画曰く、一度目はあくまでも相手をざっくりと知る為の機会で、二度目のデートは一度目よりもっと重要らしい。

何でも、二度目のデートを制する者は恋愛を制するとか何とか。一度デートをしたからといって油断は大敵と言う訳だ。



つまり、二度目のデートは一度目より更に気合いを入れて、迅速かつ丁寧に行わなくてはいけない。