「ただいまー」
「おじゃましまーす
あ、美味しい匂いする
今日何かな?」
外からすでにいい匂いがしてた
「おかえりー」
奥からばあちゃんの声がした
「ばあちゃん、友達連れて来た」
ばあちゃんが朝日奈を見て
びっくりした
だよね…
こーなると思ってた
「友達って男の子かと思ったら
いつの間に、彼女なんか…」
「はじめまして!朝日奈です」
「あら、かわいい」
「彼女じゃないから…
ばあちゃんのご飯食べたいって言うから
連れて来ただけ…」
きっと今日
東京に電話して言うだろうな
「朝日奈さんて、3丁目の?」
「1丁目です」
「あー、あそこの、朝日奈さん」
知り合い?
さすが田舎
「去年、おばあちゃん亡くなって
大変だったね…」
へー…そーなんだ…
「はい…」
「ご飯食べてって…
ひなちゃんの口に合うかわからないけど」
「ありがとうございます」
「ばあちゃん、ひなって名前じゃないから…」
「いいじゃない
ひなちゃん、そこ座ってて…
今、お味噌汁温めるからね」
「はーい」
朝日奈がオレを見て笑った
かわいい
ひなちゃん



