「朝日奈!」
声を掛けたら
スマホから顔を上げた朝日奈が
驚いた顔をした
「星野、どこから来たの?」
「どこから、って…?
ココから…」
コンビニの中を指さした
朝日奈が笑った
「え、なに?
オレ、なんかした?」
「ん?
だって…
どこか遠くから走って来たみたいだったから」
たしかに
軽く息が切れてた
それくらい
急いで来た
朝日奈が
心配だったから
朝日奈が
好きだから
周りを見たら
先輩はいなかった
「え、朝日奈、ひとり…?」
「うん、ひとり…」
「何、してたの…?」
オレを待ってたとか
勘違いだったら
恥ずかしすぎる
「星野が、バイト終わるの待ってた」
期待してた言葉すぎて
驚いた
「え、オレ…?」
「うん、一緒に帰ろ」
「うん…」
店内にいる店長が
わざと視界に入ってきた
手、振ってるし…



