ばあちゃんちから通える
大学のパンフレットを取り寄せた
「ひなちゃんが嫁にきたら
さすがに仏壇の部屋は寝室にできないから
ちゃんと2階の部屋で寝るんよ
ふたりなら、こわくないでしょ
子供大きくなったら
隣の部屋、子供部屋に使っていいから…
部屋ならいくらでも余ってる」
最近ばあちゃんのひとりごとが
長くなった
オレはいつも聞こえないふりをして
参考書を開いてる
朝日奈は
いつもオレの隣で笑いながら
ばあちゃんの話を聞いてる
「ひなちゃんのウエディングドレス
かわいいだろうね…
ばあちゃんそれまで生きてられるかな…
できれば曾孫が成人式するまで…」
ばあちゃん
長生きしてよ
曾孫が結婚して
また子供を産んで
また…
幸せは
繰り返される
ばあちゃんがいたから
オレ
救われた
人は自分を
大切にしてくれる人の近くにいたいと思う
自分の存在を
確認できるから
オレ
ずっと東京にいたら
自分でいれなかった
ばあちゃんがいたから
自分になれた
もしかしたら
生涯一緒にいれる人と
出会えた
「おばあちゃん
今度おばあちゃんの煮菜
作り方教えて!」
「んー、アレは企業秘密だからね…
ここに嫁にきた人にしか
教えないことになってる
まぁ、ひなちゃんには特別
教えてあげてもいいけどね」
「ぜんぜん企業秘密じゃねーじゃん」



