『君』の代わり。


「おばあちゃん行ってくるね!
お土産買ってくるからね!
何がいい?」



「そーだねぇ…
ひなちゃんの楽しい話がいいかな」



「うん、楽しんでくるね!」



冬休みは2日間だったけど

今回は3日間



星野とずっと一緒にいれる



新幹線に乗ると

もぉ誰も知ってる人がいなくて

星野とふたりの世界にいるみたいで

ドキドキした



ホントは

ふたりの世界なんかなくて

私たちは毎日

いろんな人と関わって生きてる



星野が家庭教師をしてるのも

その生徒が女の子だってことも

その子が星野を好きだってことも



生活の中の些細なことで

私だってずっと先輩に片思いをしてた



だから

その子の気持ちも

すごくわかる



でも私も星野が好きだから

だから…

嫉妬してしまう



これから先も

こんなこといっぱいあるんだろうな…



星野とふたりの世界なんて

ホントはないんだから



「よかった
朝日奈と来れて…」



新幹線の中で星野が言った



「私が行かないって言ったら
ホントに帰らなかったの?」



「うん、
朝日奈いなかったら意味ないし…」



「でも、星野は実家に帰る目的あるし
みんな待ってるでしょ
私、いなくても…」



「朝日奈いない時は
ずっと帰ってなかったよ」



「みんなに会いたくないの?」



「うん…
用があったら電話で要件済むし
ばあちゃんと朝日奈いたら
何も不自由ない」



「ふーん…
おばあちゃんは確かに大切だけど
私も?」



「うん、大切だよ
家族よりずっと…」



星野は

こんなに私を想ってくれてるのに

私は何を嫉妬してるんだろう



やっぱり

星野は正しくて



私も

星野とずっといたいな…って



星野がいない世界なんて

考えられないな…って



思うんだよね