田舎の駅
私と星野の他に数人が下りて
みんなそれぞれ帰路につく
真っ直ぐなこの道は
私と星野しかいない
星野
何も無いこんな田舎で楽しいのかな?
星野と私の影が地面に
長く伸びた
「星野、背伸びたね!
中学の時は
私とそんなに変わらなかったのにね!」
隣にいた星野を少し見上げた
「うん…
生きてたら
変わらないものなんて、ないよ」
星野はいつも一歩引いて
冷静に喋る
久しぶりに
星野と話した
生きてたら
変わらないものなんてない
私の大好きな耀先輩は
変わってた
そっか…
生きてるからか
それじゃ仕方ないのかもね
やっぱり
私が変わればいいのかな?
そしたら先輩
好きになってくれるかな?
先輩の
彼女になれるかな?
「このくらいだった?
中学の時のオレの目線」
星野が少し屈んで
私の目線に合わせた
歩いてた足を
止めた
「うん…そーだね…
このくらいだった」
星野は変わらないなって
思った
星野の冷静な話し方も
星野の私を真っ直ぐ見る綺麗な瞳も
星野は
変わってない
あの時と
私を好きって言ってくれた
あの時と
オレ、朝日奈のこと好きなんだけど…
本気だよ
オレの彼女になって…
そう言ってくれた
あの時と
変わらないね
星野は



