愛した女の行方

女子を目で追うこともよくあった。

特に髪が長くて綺麗な女。次にひらひらした服を着てる女。

学校でも女子をよく見てるもんだから、忠告したんだ。

「あんまり見てやんなよ、怖がってたぞ」

「あー……うん、そうだな」

「何、ああいうのが好み?」

「まあ、そうだね」

「彼女でも作ったらどうだ。モテないわけじゃないだろ」

「んー……面倒……」

言いたいことははっきり言う結貴が、このときだけは歯切れが悪かった。

なぜだかわかるか?

そう。結貴は女だったからだ。


定期的に具合が悪そうなのも。

女子を目で追うのも。

全部、結貴が女だったからなんだ。

好みの女に釘付けになってたんじゃない。どれだけ欲しくても手に入らないものを持っている奴が羨ましかっただけなんだ。