愛した女の行方

異変が起きたのは高校に入ってからだ。

結貴はよく顔色を悪くしていた。話しかけてもぼんやりしてるし、今にも死にそうな顔だった。

思い返せば、中学のときからたまに具合が悪そうだった。

「風邪でも引いてんのか?」

「んーん」

「じゃあどうしたんだよ」

「腹痛……かな。納豆食べるとお腹壊すんだよね」

「それって賞味期限切れてたんじゃねーの」

「そうだよ」

食うなよ、と言うと、結貴はだってもったいないから、と笑ってたっけ。