愛した女の行方

「どういうことだよ結貴!」

先輩がいなくなると、すぐさま結貴に掴みかかった。

「ごめんごめん、面倒だったからさ、ああするのが一番よかったんだ」

「だからって俺を巻き込むなよ! どうすんだよ。あいつら、明日から俺を目の敵にするぞ」

「平気平気。悪いようにはしないから」

言ったことは絶対に守る。それが結貴だった。


予想通り、俺は次の日から先輩たちに睨まれるようになった。

喧嘩をふっかけられることもあった。だが全部、結貴がなんとかしてくれた。

先輩、こいつ本当に手が早くって……。あと、あの日は腹が減ってたみたいなんです。イライラしててそれで……本当にごめんなさい!

こんな調子でぺこぺこする結貴が、このときの俺には理解できなかった。

俺を利用したことはもちろん、いくら先輩相手だからって、他人に平気で頭を下げる姿も気に入らない。

だがあとになってわかった。結貴のやり方は大成功だったんだ。


五月にもなれば、俺と結貴はすっかり先輩に気に入られて、馴染んでいた。

「な、悪いようにはならなかっただろ」

ニッと笑う結貴を、今でもよく覚えてる。


結貴のおかげで中学は楽しかった。

結貴はすげえ奴なんだ。