ハツコイ〜僕らははじめてだった〜

(克…何も言わなかったな。
いつもなら、何考えてんだよーとか
冗談言ってくれるのに…。
呆れちゃったのかもしれない。どうしよう。)

舞がまたグルグル考えていると
克がお皿を2つ持って来て部屋に入ってきた。

「かぁちゃんがロコモコ作ってくれてた。
チンしたから、とりあえず食べよ。」

「…ありがとう。
わぁ、とっても美味しそう。」

克が差し出したお皿には
たっぷりのソースがかかったハンバーグに
卵がとろっとかかっている。

『いっただきまーす。』

克からスプーンを受け取り
舞はご飯を口に運んでいく。

「お、美味い。
かぁちゃん、きっと舞がくるから
張り切ったんだと思う。
こんな洒落たの、絶対出ないもん!」

「そうなの?お母さんの料理
とっても美味しいよ。嬉しい!」

(克…普通だ。何も言わなかったけど
さっきの…どう思ってるのかな。)

…うわっ!

考え事をしていた舞は、ハンバーグを
服に落としてしまった。

「わわ、ごめん。
床に落としちゃった。ティッシュあるかな?」

「それは全然大丈夫だけど
舞、服にソースががっつり付いてる。」

舞のブラウスに茶色いソースが
かかってしまっていた。

「大丈夫大丈夫。本当にごめんね。」

床を拭く舞に

「脱いで。」

克が言った。

「…え?」

「脱いで。シミになるぞ。
手洗いして、洗濯しておくから。」

「だ、大丈夫だから。」

「大丈夫じゃない。その服
可愛いーじゃん。もったいないよ。」

そう言って克は立ち上がり
クローゼットの中をゴソゴソしている。

「はい、俺のTシャツ。」

そう言って克は服を渡すと
着替えたら教えてっとまた部屋を出ていった。