「やった、舞と一緒♡」
そう言って舞に飛びつく詩織(しおり)。

詩織は幼稚園からの幼馴染だ。

すぐるの件で頭がいっぱいだった舞。
入学式はあっという間に終わってしまった。

そして今、目の前にあるのは
体育館の外に張り出されたクラス表。

「詩織ちゃんも一緒か。よかったな舞。」
「本当、詩織ちゃんが一緒なら安心ね。」

そういって舞の肩に手を置く舞の両親。

「詩織ちゃん、本当うちの子
ボケっとしてるから、よろしくね!」

「はーい!慣れてるんで。」

元気に手を挙げる詩織。

「もぉ、皆してー!
ちゃんとするってばー。」

ぶつぶつと頬を膨らます舞。

「全然してないじゃない。朝だって
桜見ながらボケっとして。
遅刻しないか、お母さんヒヤヒヤしてたわ。」

「…う、それは…。」

「まぁ、まぁ、いつものことですから。
また叔母さんも叔父さんも
よろしくお願いします。」

フォローするかのように
笑って詩織が言った。

「…全然フォローになってない。」