ハツコイ〜僕らははじめてだった〜

「…舞、何か怒ってる?
俺、何かしたかな?」

克が舞の顔を覗きこんで言った。

「…何でもない。」

舞はそう言うのがやっとだった。
目には涙があふれてくる。
舞は下を向いて、必死に堪えた。

「何でもなくはないでしょ?」

はぁ、と克はため息をつきながら言った。
ため息に、また傷付く舞。


「…もう、友達にはなれない。」

泣きながら舞は言った。

「…どうして?急に。」

「だって…もう、やだ。
克が優香ちゃんと付き合うのも。
こんな気持ちになるのも。
自分が凄く…いやになっちゃう。
だから…。」



…ちゅ。



「…俺ももう、友達には戻れない。」

舞は克が触れた唇を触った。

「俺は、舞のことが好きだよ。」

「…え、でも。優香ちゃ…。」

「優香ちゃんからは、告白された。
でも、好きな人がいるからって話したよ。
俺が大切にしたいのは、舞だけだから。」

そう言って克は真っ直ぐ舞を見つめた。

「…舞は?俺のこと、どう思ってる?」


「…好きだよ。凄く。

ドキドキしたり、ぎゅうって苦しくなったり
やだって思ったり、…もっとって思ったり
全部、克がはじめてだよ?

…はじめてなの。好きって思ったのが。」


泣きながら伝える舞を克が抱きしめた。

「さっき…ごめん。」

そう言って克が舞の唇をなぞった。