ハツコイ〜僕らははじめてだった〜

「詩織、ちょっと外いこっか。」

外に出るとそこには克と優香がいた。
今はこの2人の顔を見るのが辛い。
そう思った舞は顔を背けて詩織と歩き出た。

「舞、ちょっと。」

克が呼び止める。

「今、話せない。」

自分でもびっくりするほど冷たい声が出た。

「…克幸のことなんだけど。」

克が続ける。詩織の足が止まった。

「…優香ちゃん、ごめん。
ちょっと話したいから
中入ってもらえるかな?」

克が優香の方をむいて言った。

「うん。」

そう言って優香は中へ入っていった。
気のせいか、優香の目が少し赤くなっていた。

「さっき、直樹が来た時に聞いた。
詩織ちゃん、大丈夫?」

克が話しかける。

「…大丈夫なわけないじゃん。」

舞が言った。

「そうだよな…ごめん。」

[ブーブーブーブー]

克に克幸からの着信があった。

「もしもし?克幸?大丈夫?
…うん、うん。…わかった。
今、詩織ちゃんもいるよ?代わろっか。」

そう言って携帯を詩織に渡す。
詩織は電話を代わって泣きながら話し出した。

「…舞、ちょっと話せる?」

克が話しかけた。

「…うん。」

あまり気乗りがしない舞は
少し俯いて返事をした。

(優香ちゃんと付き合ったって報告かな。
本当聞きたくないし、顔も見たくないな。)

「こっちいこ。」

克は店の裏の空き地に舞を連れて行った。