ハツコイ〜僕らははじめてだった〜

「舞、やっぱりちょっと
心配になってきちゃった。」

昨日のことを思い出して詩織が言った。

「かっちゃん、試合が終わったら
電話するからって昨日連絡があったの。」

「え?本当?ちょっと
先生に聞いてみよう。何か知ってるかも。」

そう舞が言って立ち上がろうとした時

「おまたせー!!」

野球部が到着した。
しかし、直樹達の姿はあったが
克幸の姿が見えない。

「腹へったー!肉ー!」

直樹が叫んだ。

「…おう。食え食え。
野球部も来たことだし、もう一回
乾杯するぞー!かんぱーい。」

生島先生が言う。

「かんぱーい。」

乾杯の後、直樹はご飯を食べながら
生島先生に何か話している。

舞と詩織は、直樹が落ち着いた頃に
話しに行くことにした。

しかし、しばらくしてクラスメイトが先に

「直樹ー、克幸はー?」

と大きい声で聞いた。
一瞬、直樹の動きがとまる。

「あー、かっちゃんは…。」

と直樹が話そうとすると
生島先生が立ち上がった。

「黒澤から連絡があって、皆には
黙っててくれってことだったんだけど…
今日の決勝戦で、相手バッターの打った球が
黒澤の頭にあたって、病院に運ばれたんだ。」

その場の皆がシーンとなる。

舞が振り向くと、詩織は真っ青だった。
不安で震える詩織の肩を抱く舞。

「先生、黒澤大丈夫なの?」

クラスメイトが話す。

「検査の結果、脳にも問題は無い。
今は起きてご飯も食べることができたらしい。
ただ、念のため
1週間は検査入院をすることになった。」

「そっか。よかった。」

「びっくりしたよー。」

ザワザワと皆も話し出す。
ただ、詩織はずっと目に
涙をためて震えていた。