ハツコイ〜僕らははじめてだった〜

「克は、…優香ちゃんに
作ってもらいたいんじゃないの?」

舞は俯いて言った。

「何で、優香ちゃん?」

克はきょとんとしている。

「忘れたの?克が御守り、優香ちゃんに
作ってもらいたいって言ってるの
教室中に響いてたよ!」

舞の語尾が強まる。

「あー、あれね。」

克も思い出したように頭を掻く。

「…ほら。」

「悪い。」

克もバツが悪そうに舞を見た。

「…わがままかもしれないけど
やっぱ、舞の、他のやつに渡したくないわ。」

「そんなに、これ気に入ったの?
克って、桜のモチーフが
よっぽど好きなんだね。」

舞が笑って御守りを見せた。

(直樹ー、こいつ、克幸以上の鈍感だぞ。)

「そうなんだよ。集めたくってさ。」

と克も舞の話に合わせる。

「うーん。それなら…。
でも、もうあと1個は作れないから
御守りを選ぶ日は、任せるからね!」

「おう。」

「あ、だけど、優香ちゃんのは
貰えなくなっちゃうよ?」

また舞の顔が曇った。

「それはいーの。はじめから。」

舞の頭にポンっと手を置いて
舞の手に握られた御守りを取った。


「克は…わかんないよ。
何か、もやもやした気分になる。
嬉しかったり、イライラなったり
悲しかったり…気持ちが忙しい。」

舞の目には涙が溜まっていた。