ハツコイ〜僕らははじめてだった〜

電車に揺られ家に戻る。
少し緊張する手を
克の大きな掌が包んでくれていた。

「ただいまー。」

舞の家に2人で着く。

奥の部屋からお母さんとお父さんが出てきた。

「昨日、今日とありがとうございました。
おかげで、とっても楽しかったです。」

克が礼儀正しくおじぎをする。

「ふふ、よかった。…克くん、これ。」

お母さんが青い袋を手渡す。

「!?」

「開けてみて。」

「わ、手袋。しかもこれ、めっちゃ高いやつ!
兄貴が持ってて、憧れだったんです。」

克が嬉しそうに手袋を手に包んだ。

「なら、よかった。お父さんとお母さんから。
克くん、お誕生日だったんでしょ?
これからも舞をよろしくね。」

「えっ?あ、はいっ!
こちらこそ、よろしくお願いします!」

「お父さん、お母さん、ありがとう。」

舞も嬉しそうにお礼を言った。

「楽しかったようでよかったよ。
お父さん達にもよろしく伝えててね。」

お父さんも優しい声で言った。

「はい!手袋も見せます!
本当にありがとうございました。
これからも、よろしくお願いします!
…じゃ、帰ります。」

「またね。」

お母さんとお父さんが揃って手を振ってくれた。

「外、見送る。」

舞が克に次いで玄関を出た。