ハツコイ〜僕らははじめてだった〜

「…だったんだけど、
1年のクリスマスくらいの時に
スランプになっちゃってさ
…サックス弾けなくなっちゃって
めちゃくちゃ自暴自棄。」

「…あーあったな。」

稜も目を細めて懐かしがる。

「んで、勝手な八つ当たりよね…。
稜に…もう、好きなのやめます!って
鞄投げつけて。」

「あれ、意味わからなかったから。
何で俺、1個下の奴に怒られてるのって。」

稜が笑った。

「んでも、その時、稜が…やめんな。
…好きなのやめんな。って言ってくれて!」

「キャー!…ちょ、先輩
今、キュン死にしそうです!!!」

舞が顔を両手で覆った。

「…で今に至ると。」

「やー、もぉ最強のカップルですね。
ますます憧れます!!!」

舞が興奮して言った。


「香織も、舞と一緒で
…ゆでだこみたいだから、面白かった。」
 
いきなりの名前呼びに
ドキンとする舞。

「ぶっきらぼうだから
わかりにくいかもしれないけど
とっても優しいの。…はは、惚気ちゃった♡」

いつまでも恋する乙女のように
話す香織は、とっても可愛かった。

「やっぱり素直に好きな人に
想いを伝えることって大切ですね。」

舞が噛みしめるように呟く。