「舞ー、よかったなー。」

「うん!抽選って、当たったこと
なかったから、嬉しい。」

舞は宿泊券を見て喜ぶ。

「舞のお母さん達も喜ぶよ!」

克も自分のことのように喜んでくれた。



「温泉…克、一緒に行かない?」

「え?」

「…その、ペアだし…。
もし迷惑じゃなかったらの話だけど。」

「迷惑なわけないけど
…泊まりだもんな。」

「…うん。」

「多分、とゆうか絶対
そのシチュエーションだったら
俺…舞のこと欲しくなっちゃう
自信があるんですけど。」

舞の顔が真っ赤になる。


「これ使う時までに…心の準備する。」

「はは、…嬉しい。
うん!一緒に行こう?温泉。明日?」

克が照れ隠しに冗談を言う。

「無理!絶対!」

舞が慌てて首を振った。

「ははは、冗談だって。
んー、9月は体育祭の準備だし
10月は本番だろ?中間テストもあるし。
11月は終わりに文化祭があるから…
…俺の誕生日付近で行ってもいい?
文化祭の前。どうかな?」

「…克の誕生日、11月15日だったよね?」

「うん。…クリスマスより前になるけど…。」

✳︎✳︎✳︎

「触れないよ。…舞、12月…
クリスマスに、舞のこと…全部ちょうだい?」

✳︎✳︎✳︎

前に克と約束した言葉が頭をよぎる。

ドクンッ

キスの先を考えただけで
沸騰しそうな舞。

それと同時に克の言葉が
冗談ではないということも伝わる。


「…うん。お誕生日の時に。」

「…プレゼントが舞って最高ー!」

「…まだ、あげるって言ってないー!」

舞が慌てて否定する。


「…やっぱりやだ?」

急にしゅんっとした克が見つめる。

「…やじゃないけど…。」

「やった!」

ちゅ

克が軽く唇にキスをした。

2人のハジメテまで、あと3ヶ月。