「もぉ、お父さん達、先に行っちゃうんだから。
…ま、見惚れてた私がいけないんだけど。」

舞の家から続くこの桜並木は
毎年綺麗な花を咲かせる。

「…いつも見守ってくれてるみたい。」
ニコニコと桜を見て舞は呟く。

今日は高校の入学式の日。

期待と不安を胸に
新しい制服と鞄に身を包んだ
舞は学校への道を急いだ。

どんな世界が広がっているのだろう。
どんな人が待っているのだろう。
舞はワクワクしていた。