「舞ちゃん
これも挟んで食べたらいいわよ。」

お母さんがベーグルに
焼きたてのハムをのせてくれる。

「わ、何この朝ごはん。
いっつも納豆、卵かけご飯、納豆なのに。」

「だから、母ちゃん
舞ちゃんいるからって張り切りすぎ!」

愁と翔が起きてきて言った。

「母さんは、舞ちゃん大好きだからな。」

お父さんも新聞を読みながら笑う。

「いいじゃないの。
あー、私もコーヒーを飲んでと。
本当に穏やかでいい朝。」

「舞ちゃん、足大丈夫だった?」

愁が舞に尋ねる。

「消毒のおかげで、もう大丈夫です。
本当にありがとうございました!」

舞が改まってお辞儀をした。

「なら、よかった。」

くしゃっと微笑む愁。

(やっぱり大人っぽくてかっこいいな。
…克も大学生になったら、こんな感じなのかな。)

ぽーっと愁に見惚れてる舞に気付く克。

「見すぎ!」

舞の頭にチョップをする。

「ヤキモチやくなって。」

翔も笑って言った。

「でも、舞ちゃん、本当
またいつでも遊びに来てね。」

「本当、本当。俺らからの
プレゼント、いつでも使っていいから♡」

翔の言葉にぼっと赤くなる舞。

「…ぶったたく。」

克が拳に力を込めた。

「はは、冗談だって。克チキンだから
なかなか進まないかもしれないけど。
何かあったらお兄ちゃんの胸に
飛び込んでおいでね。」

「はい、その時は、よろしくお願いします。」

「まーい?飛び込む日なんか来ないから!」

舞達の掛け合いを、お母さんと
お父さんは微笑ましく見ていた。