「綺麗だったねー。」

「最後のナイアガラ最高だったー!」

「あっ!最後皆で写真撮ろー!
よってよってー、はいチーズ。」

カシャッ

花火後の満面の笑み。
皆で一緒の夏祭りは、最高の思い出になった。

「よし、帰ろー!」

「チャリ、取りに行かないとなー!」

皆立ち上がり荷物をとる。

「…俺達、ちょっとぶらぶらして
帰るから、先帰っててー。
俺腹減ったから、また屋台で何か
買ってくるわー。」

克が舞の手をとって皆に言った。

「まじー?まだ食うのー?」

「了解ー!」

「そしたら、舞またねー。
ちゃんと送ってもらいなよー。」

皆とバイバイして2人になる。

「…よしっと!舞、ちょっと待ってて。」

克はそう言うと、どこかに電話をかけだした。

「…あ、もしもし。
あのさー、今から舞連れて来ていい?
…うん、そう。…終わった。
あと。消毒液とかってある?
…うん。靴擦れ。
わかってるって。…うん。よろしく。」

「…お母さん?」

「そう。今から連れてく!」

「えー?いいよー。迷惑かけちゃう。」

舞は心配そうに克に言った。

「だーめ。バイ菌入るとやばいから。」

「んー、でも。」

舞が渋っていると、克が舞を持ち上げた。

「きゃっ。」

「帰りますよ。お姫様。」

克が舞をお姫様抱っこする。

「待って待って。ムリムリムリムリ!
皆見てるよー!恥ずかしい。」

舞は足をバタバタさせて抵抗する。

「見せとけばいーの。」

克はそんな舞には構わずに、歩き出す。

「俺に内緒にしてたから。
…心配した。だから大人しくしてなさい。」

克が歩きながらそう言った。