ハツコイ〜僕らははじめてだった〜

「克、たこ焼き屋さん行こ。」

舞が克の手を握って言う。

「うん。リンゴ飴屋もな。」

克もにぎにぎと舞の手を握る。

はしまきに、イカ焼き、焼きそば
カキ氷屋さんもある。

お面やわたあめ屋さんの前には
子ども達のにぎやかな声が響いていた。

「小さい時から父ちゃんから
よく連れてきてもらってて、あの階段
登った先から、自分家探してたのよく覚えてる。
あと、境内のところに
珍しいピンクのラムネ売っててさ
兄ちゃんとよく一気飲み勝負してた。」

克が笑って言った。

「ピンクのラムネ?見てみたいっ!」

「まだ売ってるかなー?
しかも階段、結構歩くよ。」

克が心配そうに舞に言った。

「平気平気。登ってみよ。」

舞が克の手を引っ張って、ずんずん歩く。
はしゃぐ舞を見て、克も楽しそうだ。


階段を歩き出すと
舞は、息を切らせながら克に言った。

「ここ…はっ、想像以上に
き…っいね。」

「大丈夫かー?言ったろー。
まぁ、その分登りきった
景色は最高なんだけど。」

「…そう…なんだね。はぁ。…はっ。」

「舞、大丈夫?
無理しないでいいんだよ。」

「ううん。大丈夫。」


息を切らしながら
何とか登りきった2人。

「…はぁ、はぁ。
わー!本当に綺麗。」

長い階段を登りきると、そこからは
綺麗な夜景が広がっていた。

「あそこらへんが、うちん家。」

克が指を指した。

「…あ!本当だ。
克のお家の近くの公園も見えてる。
わー、ここ良いスポットだねー。
階段きついだけある。」

「あー、だけどもうピンクのラムネ屋さん
ないなー。普通のしか売ってない。」

克が残念そうに舞に言う。

「しょうがないね。
でも、普通のラムネも美味しそうだよ。」

「うん。じゃあ待ってて。
俺買ってくる。」

克は走って、ラムネを買いに行った。