「……」
淡い黄緑の髪に黄色の瞳の、男子の制服を着た中性的な顔立ちをした女の子――榎本 葉月(えのもと はづき)と目が合い、葉月はすぐに風音から目を逸らすと教室を出ていった。
風音は、窓の外に目を移す。しばらく外を眺めているとふわふわと空を飛んでいた悪霊と目が合い、風音は立ち上がると扇子を片手に屋上へと走り出した。
(……屋上に……誰か、いる?)
誰かの気配を感じながら、風音は屋上に飛び出す。風が吹いて、風音と淡い黄緑の髪の――葉月の髪が揺れた。
葉月は、ゆっくりと風音の方を向く。風音と目を合わせた葉月は、あからさまに嫌そうな顔をした。
「……そんな顔するの、止めてほしいんだけど……反応に困るから」
風音は苦笑すると、葉月の隣に移動する。風音は、柵に手をかけると校庭を見下ろした。
(……悪霊の姿がないな……まぁ、いいか)
「…………僕は、風音のことが苦手だ」
葉月の言葉に、風音は葉月の方を向く。葉月は、いつもと変わらない表情で校庭を眺めていた。
「……そっか」
風音は、そう答えると葉月と同じように校庭を眺める。
「……風音なら、理由を聞いてくるかと思ったけど……聞いて来ないんだ」
淡い黄緑の髪に黄色の瞳の、男子の制服を着た中性的な顔立ちをした女の子――榎本 葉月(えのもと はづき)と目が合い、葉月はすぐに風音から目を逸らすと教室を出ていった。
風音は、窓の外に目を移す。しばらく外を眺めているとふわふわと空を飛んでいた悪霊と目が合い、風音は立ち上がると扇子を片手に屋上へと走り出した。
(……屋上に……誰か、いる?)
誰かの気配を感じながら、風音は屋上に飛び出す。風が吹いて、風音と淡い黄緑の髪の――葉月の髪が揺れた。
葉月は、ゆっくりと風音の方を向く。風音と目を合わせた葉月は、あからさまに嫌そうな顔をした。
「……そんな顔するの、止めてほしいんだけど……反応に困るから」
風音は苦笑すると、葉月の隣に移動する。風音は、柵に手をかけると校庭を見下ろした。
(……悪霊の姿がないな……まぁ、いいか)
「…………僕は、風音のことが苦手だ」
葉月の言葉に、風音は葉月の方を向く。葉月は、いつもと変わらない表情で校庭を眺めていた。
「……そっか」
風音は、そう答えると葉月と同じように校庭を眺める。
「……風音なら、理由を聞いてくるかと思ったけど……聞いて来ないんだ」



