「それにしても、神様か……かっこいいなぁ。まぁ……かっこよさは僕よりも劣るけどね」

そう言って、風音はふっと笑った。それを見た颯は、風音の髪をくしゃくしゃになるまで撫でる。

「わっ……」

颯から離れた風音は、手で髪を整えると颯を見つめた。

「……そういや、お兄さん。あの怪物について、何か知ってる?」

「あの怪物?あぁ、悪霊のことかな?君、いつから幽霊が見えるようになったんだい?」

「先に自己紹介をするよ。僕は、五十嵐 風音。ただの女子高生だ……次にお兄さんの質問に答えるけど、僕が幽霊を見始めたのは、僕のおじいちゃんが亡くなる、少し前からだよ」

風音の口から出た女子高生、という言葉に驚きつつも颯は風音の言葉に耳を傾ける。

風音は、数か月前に大切だった祖父を目の前で亡くした。それから、風音は幽霊が見えるようになってしまったのだ。

「なるほどねぇ……風音の祖父……千風(ちかぜ)という名前じゃないかい?」

「……っ!?」

颯の言葉に、風音は驚く。千風は、風音の祖父の名前なのだ。

「……やはり、そうなのだね?風音は、千風の孫ということか……千風に、良く似ている……」