「ねぇ、美咲。蒼が、美咲の事好きなんだって!」

「えっ?」

夏休みのこと。あたしは、クラブの練習で学校に来ていた。

「美咲は、漫画のキャラが好きなんだよね!」

「そっそうだよ☆」

蒼って、前に好きだった。で、告白したけど、あっけなく失恋。

いまさら遅いよ。

守羽(すう)が口を開く。

「あんなやつ、好きになんないほうが良いよ。はやく帰ろうっ」

「当たり前じゃん!あんなやつ好きじゃないよ!」

でも。

本当はどうなんだろうね。

クラス違うし。

「ネエ。美咲。」

「なに?」

「相談があるんだけど。。。」

「何でも言って!」

「ウチ、蒼のこと。。。」

「好きかもしんない!」

えっ?さっき文句言ってたのに?

「さっき文句言ってたじゃん?」

「あれはね、美咲に蒼がとられるかもって思ったの。」

守羽が言う。

「そんなことあるわけないじゃん!」

「本当に?」

「約束する☆」

話題かえよ。あたし、こういう会話苦手だから。

「ところで、あしたのプール行く?」

「いくよん☆」

「一緒に行ける?」

「いいよ!お弁当もって来るね!」

「ウン!」

でもさ、守羽。

あたしだって、蒼の事好きだったんだよ?

とられるかもって思っただけで、蒼の悪口

言わないでほしかったなァ。。。

「美咲?」

「あっ。ごめっ。」

「美咲って本当は、蒼の事すき?」

「そんなことないよ。ただ。。。」