梅雨に入った頃、
鈴と蒼太は、
正式に別れることになった。

もちろんすぐに同意を得られたわけでは、
無い。何度も何度も落ち合って、
蒼太が納得できるまで、
鈴は話し合いに付き合った。

鈴がいないと死ぬ、
君は俺の世界だったのに。

蒼太は何度も繰り返した。
いつしか執着するのに、
疲れたのか、
蒼太は話し合いの場で、
ただ泣くだけになっていた。