「すみません、ありがとうございます」








しばらくして会話できるまで
回復してきた。










男子学生はその間ずっと隣に座っていた。














「ここの電車エグいよなー。
いつもチャリ通(自転車通学)だけど
パンクして修理してるから久しぶりに
電車乗ったらもう地獄(笑)」
と笑う男子学生。



















「あの…学校…」




助けてくれた男子学生が
遅刻にならないか心配だった。




「ん?あー大丈夫大丈夫。
今日は部活紹介くらいだし。
それにたぶん一緒の学校だよ?」










男子学生は自分の制服のエンブレムを
指さす。











私は男子学生のエンブレムを見たあと
自分のエンブレムを見るため視線を落とした。










川永のイニシャルKがモチーフになっている
同じエンブレムがそこにはあった。
















「本当だ…」














「それにそのリボンの色、1年生でしょ?」













リボンの色は紺だが縁は赤くなっている。














「1年生は赤、2年生は青、3年生は緑に
なってるんだよ」











男子学生がしているネクタイの色を
急いで確認する。









女子同様、色は紺だが
縁は…
















「青!!!!!!!!!!!!
先輩!!!!!!!!!!!!」












私は再度
急ぎで財布を出す。














「うわっ!ビックリした!!
元気になってよかった」












急に大声を出す私に笑う『先輩』。














気づいたら視界もクリーンになり
ほうじ茶を握りしめていたため
体全体が暖かくなっていた。