Tear Flowes〜We are losers〜

あの爆弾を柱に巻き付け、爆破させるつもりなのだろう。あの太い柱が爆発し、壊れれば、このホテルが崩れていく可能性もある。爆発すれば多くの犠牲者が出ることは間違いない。

フィオナはフリージアを見つめる。フリージアはコクリと頷いた。瞬時に柱の陰から飛び出し、男性たちに向かって走って行く。

「何だお前らは！！」

男性たちは驚いた様子でフィオナとフリージアを見つめる。フィオナは冷静に口を開いた。

「あなた方がしようとしていることを止めに来た人物です」

「はあ？見られると面倒なんだよ！！」

男性たちが爆弾をその場に置き、フィオナとフリージアを拘束するために向かってくる。男性たちは全員体格がよく、何かしらの武術の心得があるのだろう。しかし、フィオナとフリージアは怯えることなく犯人を見据える。

「オラァ！！」

男性がフィオナに向かって拳を振り上げる。フィオナはその拳を受け止め、もう片方の手で腹を思い切り殴る。そして、倒れたところに蹴りを入れて気絶させた。