Tear Flowes〜We are losers〜

「フィオナ、怪しい人物が地下駐車場に向かった。尾行する」

「了解しました。私もすぐそちらに向かいます」

無線を切り、フィオナは部屋を飛び出して地下駐車場へと向かう。エレベーターを待っている時間がもどかしく、非常階段を使って走った。

地下駐車場へと降りると、フリージアが反対方向にある柱から様子を伺っている。その視線の先には、黒い服を着た男性四人が銀色のアタッシュケースを抱え、歩いている。このホテルに泊まりに来たように見えない。

「フリージアさん、合流しました」

「フィオナ、とりあえず尾行するぞ」

気配を消し、足音も立てずに歩き、フィオナは四人の男性を監視する。男性たちは何も話さずに歩き、ある場所で立ち止まる。そこは地下駐車場の中で一番太い柱があるところだ。

男性たちがアタッシュケースを開ける。中に入っていたのは、何かの機材らしきもの。それらを男性たちは誰も見ていないと安心しているのか、ゆっくりと組み立てていく。それはーーー爆弾だ。