Tear Flowes〜We are losers〜

「……そんな顔するな」

フリージアはそう言い、フィオナの髪をさらにぐしゃぐしゃになるまで撫でる。髪を毎日丁寧にアレンジしているレティシアなら怒るだろうが、フィオナは嬉しかった。

特殊捜査チームの部屋に着くと、みんな座ってお茶やコーヒーを飲み、談笑している。エヴァンが「フィオナとフリージアさん、コーヒーと紅茶どっちがいい?」と訊ね、フィオナたちが席に座ってからそれぞれ報告を始めた。

エヴァンたちも、それぞれサフィニア家のホテルに従業員として潜入している。ただサルビアは、ウェンディの身近にいる人物を疑い、ウェンディのいる会社に潜入していた。

「怪しい人物は今のところいないわ」

レティシアがそう言うと、「こっちも同じくいない」とフェリクスが言い、フィオナも何も収穫がなかったことを話した。

「まあ、潜入して一日目です。焦らず慎重に動こう」

サルビアがそう言い、報告は終わる。報告が終わればあとは自由だ。みんな調査と関係のないことを話したり、好きなことをして過ごしたり、家に帰ったりと様々である。