年下男子に追いかけられて極甘求婚されています

今という時間をめいいっぱい遊んで、夜もまたそのホテルで豪華なディナーをいただくことになった。

昼間と同じレストランなのに夜は照明が落とされしっとりとした雰囲気を醸し出している。

テーブルにはフォークとナイフが何本もセットされていて、これからコース料理が運ばれてくるんだなとちょっと緊張。テーブルマナーに自信はないけど、確か外側から使っていくのよね?

「ノンアルコールビールでよかったの?」

「潤くんが飲めないのに私だけ飲むのはちょっとね」

「気にしなくてもいいのに」

「いいのいいの。とりあえず乾杯しよ」

カチンとグラスを合わせてから一口いただく。ほどよく冷えたビールが体に染み渡っていった。

潤くんに気を遣ったように見せてるけど、本当は自分が酔って変なことを口走らないためにアルコールは飲まないでおく。

朝車で迎えに来てもらったときから私はお姫様扱いをされている。すべて先回りでエスコートをしてくれる潤くんが紳士に見えてしかたがない。

今だってほら、慣れた手つきでナイフとフォークを使う。テーブルマナーなんてどこで覚えたのよ。綺麗で堂々としていて、気を抜くと潤くんを見つめてしまうのだ。