年下男子に追いかけられて極甘求婚されています

ロビーのソファに案内され、ウェルカムドリンクが運ばれてくる。その間に潤くんはフロントで何やら受付をしているようだ。

ゆったりとしたBGMが流れ、目に映るものすべてが高級感に溢れているように感じる。雰囲気だけで贅沢な気持ちになれるなんて、私ったら結構安い女だ。

「いやいや、安くないでしょ」

セルフツッコミでおでこをぺちんと叩いた。何せ会員制っていうくらいだから、年会費とかそういうのがいるんでしょう?知らないけど。

「だから次元が違うんだよなぁ~」

ぼそぼそと呟いていると、受付を済ませた潤くんが戻ってくる。

「ランチ、行こっか?」

「うん」

手を取られ立ち上がったのだが、そのまま潤くんは私の手を離さない。レストランまで手を繋いで歩くその距離感がもどかしい。潤くんの気持ちが伝わってくるようで胸がきゅんとなる。

だからと言ってその想いに応える勇気は私にはない。ただ流されるまま、良いとこ取りだけしている私は卑怯なんだろうな。