年下男子に追いかけられて極甘求婚されています

遅めの時間に松風の近くの居酒屋に入り、カウンターでひとりチビチビとやりながら潤くんを待つ。仕事終わりに飲みに付き合わせるのは申し訳なかったかなと思いつつも、まだかなまだかなと時間を気にしている私がいた。

お詫びに今日はおごってあげよう。
一応社会人だしね、それくらいしか威厳見せられないし。

「なぎ、お待たせ」

「お疲れ様ぁ。何飲む?」

「とりあえずウーロン茶かな」

「お酒は飲まない?」

「まあ二十歳だから飲めなくもないけど、酔って記憶なくしたりしたら嫌だから今日はやめとく」

「真面目ですなぁ」

すでにほろ酔いの私は気持ちがいい。
運ばれてきたおかわりのビール片手に乾杯をして、お互い今日を労った。

「いやー、潤くんのおかげで京都旅行楽しかったわ~」

「俺も楽しかった。なぎのおかげで進むべき道が見えたっていうか」

「何か決意でもした?あ、清水の舞台から飛び降りるって言ってたもんねぇ?」

「んー、まあ、それもあるけど。目下のところ留学しようかな」

「留学?!すごっ」

「いや、うちの大学、三年になると半年間の交換留学が可能なんだよね。ちょっと挑戦してみるかと思ってさ」

「潤くんがそんな勉強家だとは知らなかったわ。できる男!」

「だろ?もっと褒めていいよ」

ドヤ顔の潤くんが可笑しくて私はお腹を抱えて笑う。でもそんな充実した学生生活を送っている潤くんを少し羨ましくも感じた。