年下男子に追いかけられて極甘求婚されています

「ねえ潤くん、今日もバイトだよね?何時に終わるの?」

「たぶん23時くらいかな」

「じゃあさ、その後飲みに付き合ってよ。私今日最終日だし、ここまできたら最後まで付き合ってよね」

「もちろんそのつもり。バイトも休みたいくらいだけど、さすがにまずいかな」

「それはまずいな~」

私たちは一旦別れて潤くんのバイト終わりに落ち合うことになった。

最初に贅沢三昧だったので最終日はビジネスホテルか何なら漫画喫茶でもいいと考えて宿は取っていない。遊び尽くして帰るつもりなのだ。

夜の京都もなかなか乙なものだ。
新緑の季節でもライトアップを行っている寺社があり、私は携帯のカメラ片手に一人ブラブラと練り歩いた。

昼間とは違う夜の街は静かで趣があってまるで別世界のよう。ガチャガチャした都会の喧騒に慣れてしまっている自分は、自然の音が少し怖くも感じられる。

昼間、隣にはずっと潤くんがいたのに今はひとりぼっち。何かを感じても何かを発見しても、それを聞いてくれる人は誰もいない。

いや、だからといって潤くんに依存しているわけではないと思う。ただの私の寂しがりやの性格が出てきてしまっただけだ。この四日間、潤くんと毎日楽しく過ごしたから。だから今、この薄暗闇と静けさが余計に寂しさを誘うだけなのだ。