年下男子に追いかけられて極甘求婚されています

潤くんに押しきられる形で、翌日も一緒にいる。別に断ることはできたはず。普段ハキハキとモノを言う私だけど、まあいいかと思ってしまった。正直、潤くんと一緒にいるのは楽だ。素のままでいられる。そしてなにより楽しい。

宇治へ向かうため電車に揺られる。
今日はカレンダーでは祝日に当たるため観光客が多いようだ。そんな中、潤くんはひとつ空いた席に私を座らせ自分は立っているという何とも紳士的なことをしてくれている。

「今日のプランは考えてあるの?」

「甘味処と平等院は外せないかな。あとはノープラン」

「王道だね」

「王道だからいいんじゃない」

駅を出るとすぐにガイドブックでチェックしてあった甘味処が目についた。

「いきなりスイーツでもいい?」

「もちろん、いいよ」

私の行きたいところ、私の意見に快く返事をしてくれる潤くんは甘やかしの天才か。悪いなと思う気持ちも無きにしもあらず。だけどその心地よさに私はどっぷり甘えていた。

メニューを前にうむむと悩む。

「美味しそうだね~。私これにするから潤くんこっちにしない?半分こしようよ」

「なぎが両方食べたいだけじゃん」

「あはは、バレたか」

「バレバレなんだよ、なぎは昔からわがまま放題だったし」

「失礼ね。嫌だったらはっきり言ってよ」

「なぎのわがままを嫌だと思ったことはないよ。いいよ、半分こしよう」

爽やかにニカっと笑われて思わず胸がドキッとする。ふいに子どもの頃の潤くんを思い出して胸が熱くなった。