年下男子に追いかけられて極甘求婚されています

「……可愛すぎてびっくりした」

私を見るなり開口一番、潤くんは目を丸くしてそう呟いた。お世辞だろうけど、そうストレートに言われると何だか照れてしまうし嬉しい気持ちになる。

「でしょう!私ってば着物似合うんだなー」

「うん、本当に。よく似合ってるよ」

だから、なぜそんな真面目な顔でうんうんと頷くのか。もっとこう「馬子にも衣装だな」的なノリで来てほしいのに。無駄に照れてしまうからやめてほしい。

「じゃあ、行こうか」

おもむろに手を取られ、ぎゅっと握って歩き出す。待って、この状況にまったくついていけない。引っ張られるようにして歩いていると潤くんが立ち止まり繋いだ手を私に見せるように目の前まであげた。

「……下駄だと歩きにくそうだから、さ」

「……うん」

なんだ、その理由は。
なんだ、その気遣いは。
だってまるでデートじゃないか。端から見たらきっと恋人同士に見えるに違いない。

男の子だと思っていた潤くんはいつのまにか大人の男性になっていて、やけに胸が熱くなった。