無事撮影を終えて着替えた私たちは、そのまま控室である特別室でゆっくりと過ごしていた。今日はまたここに泊まるのだ。

「特別室に一泊するまでがフォトウェディングのプランにしたらどう?」

「それもいいかもしれないね」

「ここから、私たちみたいに幸せな夫婦がたくさん誕生するといいよね」

言って、私は想いを馳せる。
思えば私の京都傷心旅行から始まった潤くんとの数々の思い出。いつだって潤くんは私のことを想い慈しんでくれた。これからは私も負けないくらい潤くんを愛していきたい。

「なぎ、幸せ?」

「当たり前じゃん。潤くんは?」

「幸せすぎて言葉にならない」

「うん、潤くん、これからもずっと幸せにしてあげるからね」

「……だから、そういうかっこいいのは俺が言いたいんだよ」

「まあまあ、早い者勝ちだから……んっ」

ぐっと掴まれたかと思うと唇を奪われていた。貪るようなキスは甘くて深い。

「なぎの唇は美味しい」

「……それはかっこいいじゃなくてエロい言葉ですけど?」

ふふふと笑いながらまたキスをする。

甘い空気が私たちにまとわりつきふわふわと包んでいく。それはまるでわたあめのように繊細で柔らかく、極上の甘さをくれるのだった。


【END】