普通なら、「死ぬな!」とか「あたしが犠牲になったんだから」とか言うんだと思う。僕が同じ立場だったら、きっと言っていた。でも、彼女はそう言わなかった。それに心が救われたんだと思う。

優しい彼女と生きているうちに会えたら、きっと自然と友達になったのかな?同級生が話しているみたいに好きになったりしていたのかな?

そう思うとまた悲しくなってしまう。でも、僕に心臓をくれたのが彼女でよかったという思いもあるんだ。

「……もう少し、生きてみよう」

涙を拭い、僕は夜空に向かって微笑む。応援してるよ、と言うように流れ星が煌めいた。